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しゃちょ。のメルマガジーヌ編集後記
2025.05.08
どーも。しゃちょです。
「帽子落ちてるわよ。」
普通列車の車内にて、
私と同年配の女性が、
通路に落ちてる帽子を指さして、
わいわい楽しそうにお喋りしてた、
小学6年生くらいの、
女子4名グループのひとりに、
優しく話し掛けます。
私は通路を挟んで、
ちょうど真向いの席に座って、
その一部始終を、
見るともなしに見てたのよね。
「ありがとうございます!」
女性に話し掛けられた女子Aが、
指摘された帽子を拾って、
グループ内で唯ひとり、
帽子を被っていない女子Bを確認。
友達同士のお喋りの内容が、
完璧にツボに嵌まったのか、
涙を浮かべて笑ってる女子Bに、
「ねえねえ、帽子落ちてたよ。」
と、拾った帽子を手渡します。
その刹那、
帽子を女子Bに手渡そうと、
身体の向きを右に捻るべく、
女子Aが足を動かしたことによって、
ちょうど足の陰に隠れてた、
通路の隅に落ちてる白いマスク、
こいつが私の眼前に出現します。
と同時に、
急に目の前に現れたそのマスクを、
目敏く見つけたっぽい、
先程と同じ女性の、いやーな気配。
おいおいおい。
やめときなよ。
それ違うからやめときなよ。
言うんじゃないよ。
それ違うから絶対言わないでよ。
と、私は強い念を、
その同年配の彼女に送ったのですが、
そんな私ごときの念なんぞ、
彼女のハートに届く筈もなく、
「ねえ、マスクも落ちてるわよ。」
と、その私と同年配の女性、
再び、女子Aに話し掛けてしまいます。
うわ。やったわ。
やめときなよ。って、
これほど念を送ったのに。
「あ。どうもすみません!」
と、気持ちの良い笑顔で、
女性に返事をした女子Aは、
足元のマスクをさっと拾い、
数秒前と同じような感じで、
女子B、女子C、女子Dに、
「ね、マスクも落ちてるよ!」
と、拾ったマスクを見せると、
なかなかの盛り上がりだった、
女子B、女子C、女子Dが、
お喋りを一旦ストップさせ、
目玉を大きくして口々に言うには、
「わたしのじゃない。」
「わたしのじゃない。」
「わたしのじゃない。」
その瞬間、
誰のモノか分からない、
着用者不明のマスクを、
手に取ってしまった女子Aは、
「きっしょ!」
と、叫んで大爆笑!
それを耳にした、
女子B、女子C、女子Dも、
「きっも!」
と、大爆笑!
得体の知れない気持ち悪いマスクを、
うっかり拾ってしまった女子Aは、
元々あった場所に、
投げ捨てる訳にもいかず、
かといって、
自身で装着する訳もなく、
仲良し女子4人組、みんな揃って、
きゃあきゃあ、ぎゃあぎゃあ大騒ぎ。
真向いの席で、
一連の流れを見聞きしてた私も、
さすがに心の中で大爆笑!
きみたち、
それをおじさんによこしなさい。
おじさんが駅で捨てるから。
なーんて、
突然、外野から飛び入り参加して、
女の子たちに話し掛けるのも、
なんだか違う気もするし、
そもそも、同年配の女性も、
良かれと思っての行為であって、
彼女の顔を一瞥すると、
同年配のその女性は、
正露丸を3錠ほど、
一気に噛み潰したような顔をして、
肩を落として俯いてるし、
他方、女子Aは女子Aで、
未だ薄汚いマスクを指に引っ掛け、
ぎゃあぎゃあぎゃあぎゃあ叫んでるし、
一体全体、このケース、
何が正解で何が間違いなのか、
誰が正しくて誰がやらかしたのか、
分からなくなっているうちに、
目的地の高槻に着いた。