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しゃちょ。のメルマガジーヌ編集後記

#272ドレッド係員

どーも。オジコのしゃちょです。

長野で野沢菜を肴に地酒を浴びて金沢に戻ってきました。
北陸新幹線のお陰で長野→金沢がなんと約1時間ちょい。
今まで3時間はかかっていたのになあ。
素晴らしく快適な1時間、新幹線の威力を感じました。

さて、前回のメルマガジーヌでも書いたとおり、
3週間ぶりに南米から帰ってきました。

ベネズエラチーム(スタッフ3名)が帰国した後、
私だけ南米に居残りまして、
コロンビアチーム(前記と別のスタッフ3名)と合流するまでの4日間、
カリブ海に浮かぶオランダ領アンティル諸島をぐるっと一人旅。

一人旅初日。
早朝4時にベネズエラの首都カラカスの空港を出発し、
2回乗り継いでカリブ海に浮かぶボネール島を目指した私に、
これでもか!これでもか!おい!まだ足りねーか!と、
思い出すだけでもおぞましい災難に次ぐ災難が振りかかります。

カラカスから経由地のアルバ島に着いて、
乗り継ぎカウンターに向かったところ、
その日、アルバ島で重要な学会があるのか、
著名なアーティストのライブがあるのか存じませんが、
ざっと500人くらいの長蛇の列。

2時間待ってもスローな島時間が流れるアルバ島の行列は、
全くもって先に進まず、恐慌をきたした私は行列から抜け出し、
カウンター横にいたドレッドの係員に搭乗チケットを見せ、
「頼む。予約してる飛行機がもう飛んじゃう。なんとかしてくれ。」
と、ぱっとしない発音のカタコト英語で懇願するも、
ドレッド係員のネイティブなスペイン語と英語が混在した、
ブロークンイングリスパニッシュが私に聞き取れるはずもなく、
また、対応してくれたそのドレッド係員が、
ちょっと底意地の悪い野郎だったことも重なって、
焦燥感とは裏腹に二進も三進もいきません。

絶望した私は、ちょっとここでは書けないインチキをかまし、
やっとのことでカウンターをクリアした時には、
もちろん搭乗予定の飛行機は遥か彼方に飛んじゃってまして、
乗り継ぎ失敗、はいアウト。

その後、空港に隣接する航空会社に慌てて出向き、
カウンターのドレッドお姉ちゃんのスペイン語が全く理解できず、
会話が少しも成立しない最低の状況下、
なんとか追加料金を払って、次の飛行機を手配することに成功。
再度トランクを預け直し次の経由地であるキュラソー島へ。

約1時間遅延したものの、無事にキュラソー島に到着。
今度は最終目的地であるボネール島行きの飛行機に乗り継ごうと、
そそくさとトランジットカウンターへ向かったところ、
そこにいたドレッドの係員が私の荷物タグを確認し、回れ右を命じます。

係員)「おい。お前の荷物はこのキュラソー島で止まってるはずだ。」

私)「そんなことないよ。荷物はボネール島までスルーで運ばれるはずだよ。」

係員)「それはないね。お前の荷物はキュラソー止まりだ。」

私)「はあ。」

係員)「とりあえず1回キュラソーに入国して荷物を取らなきゃダメ絶対。」

なんつって、
キュラソー島のドレッド係員がどうしても通してくれない。
こうなりゃ仕方ないなあ。と、ドレッドの忠告を聞き入れ、
行列に並び入国審査を通過し、キュラソー島に入国。
預けたトランクがいつ出てくるのか、いつ出てくるのかと、
ひとり待ち侘びるも、やっぱりいつまで経っても出てこない。。
で、そこのロストバゲージのコーナーにいたドレッドの係員に、

私)「私の荷物が出てくると、さっき聞いたのですが出てきません。」

係員)「りょ! 調べてやっからちょっと待ってろブラザー。」

と、小一時間(!)調べてもらって、ようやく判明。

係員)「お前の荷物はボネール直行。ボネール島で受け取りなブラザー。」

私)「やっぱりね。だからはじめから言ったじゃん。」

というわけで、再度、
パスポートコントロールに出向きキュラソー島を出国。
ボネール島行きの飛行機を待つのことになるのですが、
1回目の乗り継ぎを失敗した影響で、
フライト時間が大きくズレまして、なんと待合室で7時間待ち。
そこでも一悶着、二悶着あったのですが、
楽しくない気持ちになるので、ここでは触れません。

で、深夜0時30分。
かなり遅延しましたが、なんとか最終目的地のボネール島に到着。
心身ともにボロボロに疲れてボネール島の入国審査ゲートに行くと、
アジア人が珍しいのか、私の存在そのものが異質で妙なのか、
そこのドレッドの入国審査官に不信感丸出しの目で見られます。

審査官)「お前はこの島に何しに来たんだ?」

私)「観光です。」

審査官)「で、お前はいつ帰るんだ?」

私)「明日の午前中です。」

審査官)「深夜に着いて明日の午前中に帰るだぁ?怪しい!別室!」

私)「はあああ。。出たよ、別室。。」

早くベッドで横になりたいのに、
全くもって行きたくない別室に強制連行される疲労困憊の私。
別室に入ると白い手袋を装着したドレッド係員が3名。
私のトランクの中のモノをすべて引っ繰り返し、
めちゃめちゃ丁寧、且つ、念入りに持ち物検査。

でもね、確かに、客観的にみても、
こいつは怪しい!と思える材料が、
揃い過ぎてることは否めないんだよなあ。

◆スタンプ押しまくりで押すところがなくなり増補したパスポート。
そのパスポートのスタンプも全世界に及び、
先月だけでも、モンゴル、キルギス、ヨルダン。怪しい!

◆世界的な麻薬基地・ベネズエラからオランダ領へ一人旅。怪しい!

◆本日付のスタンプがベネズエラとアルバとキュラソー×2。
今日1日だけで入出国スタンプが4箇所のパスポート。怪しい!

◆特にキュラソーで謎の入国と出国。
こいつはここで麻薬の受け渡しに関与したに違いない。怪しい!

◆深夜に到着して午前中に帰る意味が解らない。しかも観光。
こいつは早朝にでも麻薬の売人と接触するに違いない。怪しい!

◆半分坊主で半分ロン毛のこいつの珍妙な髪形と身なり。怪しい!

◆まずこの島に日本人が来ること自体が、そもそも怪しい!

◆他にもいろいろ。見れば見るほど、こいつは怪しい!

というわけで、
麻薬犬2頭とドレッド係員3人に囲まれまして、
1時間オーバーの深夜の尋問。麻薬捜査。

持ってた文庫本の1ページ1ページを開いてチェック。
歯磨き粉チューブもにょろっと出してしっかりチェック。

もちろん、私の身は潔白でありまして、無事に解放され、
ホテルに到着したのは深夜2時過ぎ。。
シャワーも浴びず、着の身着のまま泥のように爆睡しました。

思い返すも酷い一日。
みなさんもオランダ領アンティル諸島を訪れる際には、
くれぐれも乗り継ぎと別室にお気を付けくださいね。

なーんて言ってる間に、
あと3日もすれば、お次はヨーロッパ3週間の旅。
自分で言うのもなんですが、ホントに落ち着きの無い男だよ。。
まずは手厳しいロンドンの入国検査を無事にパスできればなあ。。

またまた次回から、この編集後記もお休み続きになります。
どうぞみなさん、お元気でお過ごしくださいね。

いつもありがとうございます!