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しゃちょ。のメルマガジーヌ編集後記

#353固く誓った決意

どーも。オジコのしゃちょです。

俺はもう競馬を辞める。
予想や馬券購入に費やしてきた時間を、
仕事と余暇の読書タイムに充当する。

財布のお金が減らなくなるのと同時に、
仕事が捗り、教養ある人間になれる。

こういう自己改革の成功は、
周囲の人たちに高らかに宣言してこそ、
成功率が格段に上昇すると仮想する。

誘惑に負け、禁を破っちゃった際の、
周囲の人たちの冷ややかな目を想像すれば、
それが一つの防波堤の役目となり、
すんでのところで誘惑に負けないで済む。
かもしれないよなあ。

と考えたダービー終了後の夕方、
ウチのかみさんと椿(つばき。娘。中2。)と、
橙(だいだい。息子。小6。)に、

「わたしは競馬を辞めます。よろしく。」

と、メールを送信したら、
かみさんを除く二人から返信がきた。

椿)「お父さん、ほんとにやめれんの?」

つばきちゃん。それは愚問だ。
お父さんは本当にやめられるのであります。
そもそも競馬は昔からあんまり好きじゃない。
ただただ惰性で毎週やってただけなのだ。
昨秋に突如ダイエット宣言をしてからの、
私のストイックな自己管理による、
痩せっぷりを知っているだろう。
お前のお父さんは意志が固い。
一度決めたら必ずやる不屈の男なのである。
なーんて、椿に、
グダグダな文を返信していたら橙から着信。

橙)「競艇に変更ですか?」

さすがの私も、息子からの、
「競艇に変更ですか?」には大いに脱力。
固く誓った決意が一瞬でふにゃふにゃ崩れる。

重たい脱力感から這い上がろうと、
あいつへの返信を先送りして、
ビジネスホテルのシャワーを浴びてリセット。

冷たいコーヒー味の豆乳飲料を飲みながら、
自身がこれから進むべき正しい道を、
何通りか候補を上げて己に問うてみるならば、
この際、ホントに競艇に変更しようかしらん。
と、息子が提示してくれた意外な方向性に、
ある種宗教的な光が射し込んで、
そいつがじわじわゆっくり熱を帯び、
私の胸の真ん中の深い部分に、
もわもわ膨らんできたところで我に返り、
あぶねー。あぶねー。
そういう話じゃないんだよ。
馬から舟に興味の対象を移す話じゃないんだよ。
と、うっかり舟に乗りそうになった自分を案じ、
はー。一体全体、この先どうなることやら。
と、呆けた顔して豆乳飲料の紙パックを握り潰す。