Mailmagazine

しゃちょ。のメルマガジーヌ編集後記

#426ゴージャスランチ

どーも。オジコのしゃちょです。

先日、松江から乗車した特急やくも号は、
何年か前にここでもお伝えした通り、
数ある列車の中でも、
その揺れ方が突き抜けていまして、
ネット上では特急はくも号などと揶揄され、
乗客から蛇蝎のごとく恐れられている訳ですが、
今回も、やくもじゃなくてはくも号ね!うんうん!と、
流石の私もあっさり頷いちゃうくらいの揺れ方で、
机に置いた島根牛みそ玉丼は吹っ飛ぶわ、
ポップコーンは鮮やかに空中に弧を描くわ、
百戦錬磨の車掌がよろけて座席に手をつくわと、
なかなかのイリュージョンでございました。
特急やくもよ。すまん。大好きだ。

さて、気温も徐々に下がり山も色付き、
秋の深まりを感じると共に、
私なんかはいよいよ本格的な秋競馬の到来に、
一段と熱が入る頃合いであります。
なーんて、実際のところは、
年がら年中、熱が入りまくってんだけどね。
しかも、かなりの高熱で。

で、先々週の日曜日。
京都競馬場で開催された秋華賞のお話であります。

ちゃんとお金になる穴馬ばっかり狙い続けて、
かれこれ20年の年月を数える私は、
秋華賞の前々日の金曜夜に1頭の穴馬を見つけます。
その名も名手・横山典ちゃん騎乗!
7枠14番、ゴージャスランチ!

圧倒的1番人気に支持された、
怪物アーモンドアイの鬼脚を封じるのは、
典ちゃんの秘策が炸裂するであろう、
ゴージャスランチ以外に考えられない。

見える見える。完全に見える。っていうか見えた。
大本命馬が大観衆の悲鳴と共に馬群に沈み、
京都競馬場がしーんと静寂に包まれる中、
わっはっは!わっはっは!と、
笑いが止まらない横山典弘と自分の姿が。
日曜まであと2日かあ。待ちきれねーよ!

で、翌日の土曜日のお昼。
本日開催の土曜競馬なんて、
もう本当にどうでもよくって、
私の気持ちは完全に明日の日曜メイン秋華賞!
ゴージャスランチの激走で頭がいっぱい。

嗚呼、早く明日にならねーかなあ。
と、仕事の書類を前にぼんやりしてると、
同僚のいのる氏が私の部屋の扉をノックします。

「しゃちょ。今日のお昼はどうしましょう?」

なんだよ、もうそんな時間かあ。
まあ、まつもとのカレーうどんか、
近所のほっともっとののり弁か、
お向かいのセブンイレブンでおにぎりか、
といったお馴染みのラインナップの中で、
割と簡単に決まるのが通常なのですが、
本日の私の頭の中は、ちょっと違うんだよねえ。
ゴージャスランチで頭がいっぱいなんだよねえ。

いのる)「しゃちょ。今日は、のり弁、いっときますか。」

私)「のり弁?」

いのる)「はい。いつもののり弁。300円。」

私)「ふーむ。のり弁ねえ。300円ねえ。」

いのる)「はい。お財布に優しい300円。買ってきますね!」

私)「待て待て待て。いのる。ちょっと待てい!」

いのる)「はい。どうかされましたか。」

私)「いのる君。のり弁ってのはちょいとゴージャスじゃないよねえ。」

いのる)「はい。ゴージャスとは程遠いですね。」

私)「いのる君。今日のお昼はゴージャスでいくっ!」

いのる)「ゴージャス!?」

私)「そーだ。今すぐもりもり寿司に電話!特上3人前を発注したまえ。」

いのる)「え、お寿司!しかも特上3人前!」

私)「そうだ。3人前だ。もちろん、いのる君にもご馳走して差し上げよう。」

いのる)「え、いいんですか?」

私)「いいんです。今日のランチはゴージャスでいくんです。」

いのる)「ひゃっほーい!なんてゴージャスなランチなんだ!」

私)「そうだ。今日はゴージャスランチだ!」

という訳で、
土曜のお昼はいのる君と特上寿司3人前!
いのる君には秘密にしていますが、
もちろん、これ、
明日のゴージャスランチ激走の前祝い。
お昼からお寿司特上3人前は、
かなりのダメージですが、大丈夫。
明日になれば、明日になれば、明日になれば、
明日の秋華賞さえ始まっちゃえば、
ゴージャスランチが大金を運んで来てくれるからね!

で、翌日の日曜日。秋華賞当日のお昼。

いのる)「しゃちょ。そろそろお昼の時間です。」

私)「おいおい、もうそんな時間かよ。早いなあ。」

いのる)「で、今日もお昼は私としゃちょ。しかいません。」

私)「また二人かあ。みんな出張で忙しいねえ。」

いのる)「はい。で、昨日はあまりにゴージャスだったので今日は。。」

私)「いのる君!私は声を大にして言う!」

いのる)「はい。」

私)「今日のランチこそゴージャスにしなくちゃいけねえ!!」

いのる)「何だか知りませんが、好きにしてくださいっ!」

私)「いのる君。今すぐピザの出前を取り給え!」

いのる)「ピザ!」

私)「そうだ。一番でかいインチのやつで一番高いやつ!」

いのる)「おおお、なんというゴージャス!」

私)「そうだ。二日続けてゴージャスランチだっ!」

アツアツの出来立てピザを、
旨い旨い!こりゃ旨い!
チーズがとろける!旨い旨い!
と、二人で平らげてから3時間後。
秋華賞が怪物アーモンドアイの圧勝で終わり、
会社のしゃちょ室で茫然自失、
完全に魂が抜け落ちた私の耳に何か聞こえる。
むむむ。誰か、扉をノックしてるな。
さては、いのる君だな。

いのる)「しゃちょ。ちょっといいですか。」

私)「いいよ。なに?」

いのる)「しゃちょ。立て替えてるピザのお金ください。」

私)「うん。いくら?」

いのる)「4000円。」

私)「高っ!」

昨日のお寿司は確か1万円くらいだったので、
2日間のランチで1万4000円かあ。
身分不相応にゴージャスだなあ。
純然たるゴージャスランチだなあ!
って、横山典ちゃんのばか!

というわけで、
今日のお昼は新山口駅構内で買った、
コンビニおにぎり1個。
しばらくゴージャス禁止!
コツコツ地道に生きていきます。