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しゃちょ。のメルマガジーヌ編集後記

#659「アパレル応援してっから!」

どーも。しゃちょです。

すみません、空いてますー?
と、お店の扉を開け、
大将と目が合ったその瞬間から、
私の風貌、私の見た目一発で、
こいつは全国のライブハウスを、
転々としているバンドマンだと、
独り合点しちゃったのでしょうね。

枝豆と厚焼き玉子を肴に、
3本目の瓶ビールをぐびぐびやってると、
カウンター越しに大将が話し掛けてくる。

「お兄ちゃん、こっちにはしばらく居るの?」

「いいえ。明日には東京戻るんです。」

「へえ、そうかい。東京かい。」

「はい。でも、まあ、すぐに、
大阪飛んで2泊して金沢ですけど。」

「へえ。その後は?」

「金沢から名古屋、津、と回って、
最後は、静岡から船橋です。」

「大変だねえ。落ち着かねえなあ。」

「うーん。そうでもないですよ。
こうゆう生活が性に合ってるようです。
もう20年近くこの生活ですから。」

「へえ。そんなもんかい。」

「はい。そんなもんです。」

「ところでお兄ちゃんのバンドってさ、
なんてゆう名前なの?」

「えっ。いやいや、バンド組んで無いですよ。
仕事はですね、アパレルです。」

「うん?」

「アパレルです。」

「へっ?」

「えーっと、ア・パ・レ・ルです。」

「アパレル?」

「はい。アパレルです。」

「まあ、俺もいい歳だからねえ。
アパレルってバンドはよく知らねえけどさ、
まあ、一生懸命、頑張んなよ、お兄ちゃん。」

「はい。頑張ります。」

「アパレル応援してっから!」

「はい。ありがとうございます。」

もういいや。もう知らね。
今日はもう、このままいく。
謎バンド「アパレル」のボーカルでいく。