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しゃちょ。のメルマガジーヌ編集後記

#233聖なるガンガー

どーも。オジコのしゃちょです。

そこを訪れてからの数日は、
聖なるガンジス河(ガンガー)に魂を鷲掴みにされてしまい、
将来、自分の死期を悟る日が来たならば、私も一路ヴァラナシを目指し、
聖なるガンガーの岸部の火葬場で焼かれ聖河に流してもらおうと、
不遜にもちょっと思ったりもしましたが、無事に帰国して自宅に帰り、
椿(つばき。娘。小5。)と橙(だいだい。息子。小3。)の顔を見ますと、
やっぱりそういう思い切ったことをするのはやめておこうかしらん。
と思い直すに至った訳ですが、魂を強く揺さぶられたことだけは確かです。

無事にインドから帰国しました。
タージマハールもアグラ城もスパイシーなカレー地獄も、
とてもとても素晴らしかったですが、やっぱり聖地ヴァラナシが強烈でした。

神様と死者と牛と人間の共生。

日本でぼんやり暮らしてる私なんかにはちょっと異次元の世界観。
次は1泊400円くらいの安宿で数週間くらい滞在したいなあ。

そうそう、今回のインドには男ばっかり私を含め6人、
期待の若手スタッフを引き連れて行ったのですが、
道中は大笑いに次ぐ大笑いで最高の旅となりました。
その中でも圧巻は今回が初海外となる栃木出身のT。
アンベール城内へ入城する坂道をゾウの背中に乗って登る為、
大混雑のゾウタクシー乗り場で順番に並んでたところ、
ここもやっぱり、インドの有名観光地。
一気呵成に物売り達が観光客目指して押し寄せます。
埃まみれの帽子や粗雑なネックレスや日に焼けた布や不衛生なスパイス。
まあ、普通の感覚じゃひとつも要らない。絶対要らない。
天地が引っくり返っても、槍が降っても、絶対要らない。
「要らねー。要らねー。絶対、要らねー。」と言ってるのにも関わらず、
粘りに粘るしつこい物売りのみなさんに辟易しつつ、
早くゾウの背中に乗っかって、この物売り地獄から解放されたい。
と、順番が迅速に進むことを今か今かと待ち侘びます。

「200ルピー!いや、100ルピー!わかった50ルピー!」
と、どんどん商品価格を値崩れさせ、ゾウに乗る寸前の我々に、
取るに足らないモノを買わせようとする物売りたちの執念に閉口しつつ、
「ホントにしつこいなあ!!」なーんて怒気交じりに後ろを振り返ると、
なんと、なんと、なんと、私の3人分後ろに並んでいたTが、
先ほどまで確実に持っていなかった重たそうなビニール袋を、
左手にぶらーんとぶら提げているじゃないですか。

私)「は? もしかして、この物売りのみなさんから今、買ったの?」

T)「はい。断りきれず買わされてしまいました。」

私)「馬鹿だねえ。で、何よ、それ。」

T)「木彫りの象。6個パック。」

私)「おいおい、タダでも要らねえなあ。。ちょっと見せてよ。」

T)「はい。どーぞ、しゃちょ。」

私)「ありゃあ。。雑な仕事!俺が今まで見た中で最低の木彫りだよ。」

T)「はあ。。」

私)「で、いくらしたの、それ。」

T)「はじめの値段から半額になって日本円で1000円です。」

私)「高っ!原価1円。人類史上、最低の買い物だよ。」

T)「はあ。。」

私)「1000円もあれば、ちょっといい昼飯食えんじゃん。」

T)「はあ。。」

私)「まあ、お前が人知れず木彫りを集めてたり、木彫りに興味があるんならい
いけどな。」

T)「私、木彫りに全く興味がありませんし、集めてもいません。」

私)「だろーね。」

というわけで、
アホな木彫りの象(ちょっと大きい!)×6個が入ったビニール袋を持ち、
がっくり肩を落として茫然自失のTを尻目に「馬鹿だ馬鹿だ。」と、
Tのあまりにへっぽこなお買い物に大笑いする我々5人。

その後、ゾウタクシーに乗ってアンベール城へ入城。
城内で待ち合わせた日本語ペラペラの現地ガイドさんと合流したその時、
Tが持ってる木彫りのゾウ6個パックを目ざとく発見したガイドさんがひとこと。

現地ガイド)「なにそれ、もしかして、買ったの?」

T)「はい。。」

現地ガイド)「こんなの、ゴミだよ!」

T)「。。。」

我々)爆笑!

出ました!ゴミ!
私、今までに80ヶ国ほどの国々を訪れておりますが、
お客さんの買ったお土産に対して「そんなのゴミだよ!」と、
言い放った現地ガイドさんと出会うのは初めての経験であり、
また、利発なインド人をもってしても、
ゴミと言わざるを得ないアホな木彫りを、
懐に余裕も無いのに1000円もの高額で買ったTには、
「馬鹿だなあ。」以外に掛ける言葉も付ける薬もございません。

その後、観光を終え専用車に乗り込んだTに、
現地ガイドさんから更なる追い討ちのひとこと。
現地ガイド)「ゴミ捨てんのにもお金がかかんだよ。。」

ええ。ええ。全くその通りでございます。
12億以上の人口を抱えるインドのゴミ事情はよく知りませんが、
それはそれは、大変なもんでしょう。と容易に想像がつきます。
「出さなくても済むゴミはなるべく出さない。」
この環境スローガンを親愛なるTに捧げまして、今週はおしまい。

みなさんも機会がございましたら、ぜひインドへ。
スパイスの効いた魅力たっぷりの素敵な国でした。

ではでは、今週も楽しい1週間をお過ごしくださいね。

いつもありがとうございます!