Mailmagazine

しゃちょ。のメルマガジーヌ編集後記

#291渋めの緑茶

どーも。オジコのしゃちょです。

「おとーさん!」と、橙(だいだい。息子。小5。)が、
一体全体、中に何が詰まっているのか知りませんが、
私のでっぷりと太ったお腹を目掛けて抱き付いてくる。

この光景。長期、短期を問わず、
出張から金沢の自宅に戻りあいつと再会すると、
必ず見られる我が家の風物詩でありまして、
こどもはいくつになってもかわいいもんだなあ。

「やめろ。やめろ。くすぐったいなあ。」
と、頬に含羞の色を少しく浮かべながら、
あいつの頭を撫で撫でして父子の友情を確かめていると、
「おとうさん。いい匂いがするー!」

そうですか。そうですか。いい匂いですか。
そう言ってくれんのは、お前くらいだよ。
ありがたいねえ。もったいないねえ。
今年四十のおっさんを捕まえていい匂いだなんて。
加齢臭を香水でかき消す俺の秘密作戦に、
まんまと嵌まっちゃってくれて、かわいいなあ。
世界の調香師のみなさん、いい仕事ありがとう。
みなさんのお陰で息子にいい匂いって言われちゃったよ。
はあ、今日はいい日だ。最高だ。至福の一日だ。僥倖だ。
と、しみじみうっとりしていると、あいつが一言。
「ホントにいい匂い!ポン酢の匂いがする!」

がくーっ。。

おい!ドラ息子!
誰がポン酢や、誰がっ!

と、一気に脱力。
すべてのやる気がなくなりました。。

さて、ドラ息子のお前はポン酢宣言により、
前へ前へと向かう気持ちを完全に削がれた私は、
この先いったいどうすればいいのでしょう。

娘とかみさんにはとうの昔に愛想を尽かされ、
最後の砦だった息子にもポン酢呼ばわり。
これはまずい。非常にまずい。
ひとまず、この先の生き方を再考する必要がある。
畢竟、ここは一度立ち止まり、
渋めの緑茶でもゆっくり飲んで一息つこう。
と、薄汚れた我がスケジュール帳を見やれば、
いよいよ繁忙期に入るTシャツ屋の私には、
渋めの緑茶を賞翫する余裕なんぞあるはずもなく、即出張。
そうでした。そうでした。函館でした。

できたてホヤホヤの北海道新幹線に飛び乗って、
こうなりゃ、一路、函館までの逃避行。

何はさておき、北の大地の清澄な空気で、
体内からにじみ出る悪魔のポン酢臭を、
一刻も早く消し去ってきます。。

春はもうすぐとはいえ、
ここ数日の寒の戻りは強烈ですね。
みなさん、くれぐれもご自愛ください。

いつもありがとうございます!