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しゃちょ。のメルマガジーヌ編集後記

#560兄貴

どーも。しゃちょです。

仕事が縁で知り合って、
かれこれ10年以上は、
懇意にさせて貰っている、
6コ上のY氏という先輩がおりまして、
私は敬愛する彼のことを、
親しみを込めて兄貴と呼んでおります。

一方、

彼は彼で、
私なんぞ吹けば軽く吹っ飛ぶ、
一介のTシャツ屋だというのに、
代表取締役という一応の肩書もあってなのか、
そしてまた非常にウマが合ったこともあり、
年下の私のことを年齢差を無視して、
フレンドリーに兄貴とお呼びになられます。

先日、
そのY氏と久々の再会を果たし、
マスク会食大いに結構である。
ソーシャルディスタンス厳守にて、
少しく旧交を温めようじゃないか。
と、あるお店に入ったところ、
Y氏の親友と思しきR氏が、
偶然にも先客として、
私たちのテーブルの隣にいたのよね。

で、そのY氏とR氏の関係性も、
お互いに兄貴と呼び合う昵懇の仲だそうで、
もちろん私とR氏は初対面なのですが、
Y氏のパイプ役としてのスキル、
うまい立ち回りもあって一瞬で意気投合。

結果、私もR氏のことを、
これまた兄貴と呼ぶこととなり、
逆に、R氏も私のことを、
同じく兄貴と呼ぶこととなります。

「兄貴、兄貴の会社、最近どうよ。」

「いやあ、実際、たまんないよー。兄貴。」

「そらそーよね。で、兄貴のところはどうよ。」

「まあ、兄貴のところよりかはましだけどさ。」

「そうね。みんなきついよねえ、兄貴。」

「そうそう。暫くは辛抱だよねえ、兄貴。」

「ところで、兄貴!」

「なんだい、兄貴!」

とかなんとか言うてるところに、
私のケータイが震えまして、
ディスプレイを見ると仕事の大事な電話。

「兄貴ごめん。ちょっと電話してきます。」

「大丈夫よ。兄貴。」

「ごゆっくり、兄貴。」

「忙しそうだなあ。兄貴は。」

「いやいやそうでもないよ、兄貴。」

「何言ってんだよ、兄貴。」

「たいしたもんだよ、兄貴は。」

「兄貴こそ、たいしたもんだって。」

「やめてくれよ、兄貴。」

「兄貴はやっぱり兄貴だな。」

「さすがだよ、兄貴。」

「兄貴ー。」

「兄貴ー。」

「兄貴ー。」

「兄貴ー。」

「兄貴ー。」

「兄貴ー。」

おいおい、なんだよこれ。

今、話した兄貴はどの兄貴?
こっちの兄貴とあっちの兄貴は、
どっちが兄貴でそっちの兄貴は、
こっちの兄貴とどっちが兄貴?

ちょっと考えただけでも
間違いなく数度は体温が下がる。

3人が3人とも兄貴と呼び合い、
第三者が脇で聞いていたら、
脳が秒で惑乱するレベルの超カオス。
ついに出ました、驚愕の全員兄貴!
これぞまさしく、人類みな兄貴!

3人合計で兄貴と発した回数は、
この1時間ちょっとで、
少なく見積もっても2000回は下らない。

このカオス、
彦摩呂調でいうならば、

「兄貴の満員電車やあー!」

もしくは、
「兄貴のドリンクバーやあー!」

さらには、
「兄貴の大運動会やあー!」

はたまた、
「兄貴と兄貴と兄貴の騎馬戦やあー!」

そして最後に、
彦摩呂氏定番の、

「兄貴の宝石箱やあー!」

で、話を締めますね、兄貴。